- <遺言・登記>高橋 正夫

 

遺言は、そんなに難しく考えないで !

写真
遺言が普及しない理由の一つに、あまりに難しく考え過ぎてしまうということがあるようだ。何も、これで、すべてが終わりということではない。気が変わったら、書き直せばいい。
要件が厳しくて、書き出せないということもよく聞くが、仮に、要件を多少欠いても、その意思が全く無駄になるということは絶対にない。とにかく、書き残しておくというのが極めて重要。
ちょっとめずらしい話をしましょう。公正証書遺言を書こうと思って、公証人役場に行ったら、戸籍謄本だ、住民票だ、評価証明だ、登記事項の証明書だ、印鑑証明書だと、難しいことをおっしゃる。揃うまで時間がかかりそうだから、準備する傍ら、自筆の遺言「もどき」をしたためることにした。全部を表現できなかったが、大事なところだけは書いておいた。そしたら、何と、公正証書作成の必要書類が揃わないうちに急に亡くなってしまった。
こういうのもありますよ。バラ肉グラム90円などと書かれたスーパーの折込広告の裏に、「長女には世話になった。私のものは全部長女に譲る」と書き残してなくなった人。この人の財産が、まあ、あることあること。このことは、先のブログで述べましたね。
物の本には、遺言は、人の最終意思だから、明確な意思の表現が認められるために要件が厳しく定められると書いてある。だが、その要件というのは、その遺言書一本で、すべてを最終的な決定処分する効力を認めるということを意味しているのであって、要件の一つでも欠けけば全て無効、なんの意味もない、ということではない。その文言は、当然の事ながら、その人の最終の意思の表明として尊重されなければならない。
よって、一手間かければ、例えば、訴訟なり、遺産分割協議の調停なりを経由すれば、その場で、かならず、表明意思の趣旨は斟酌されるだろう。
幸い、先の自筆証書遺言の例では、いずれも、要件を備えた有効な遺言と認められ、直ちに強力な威力を発揮した。日本人は、几帳面に出来ていて、文書を書くと、習慣として、自分の名前を書き、年月日を書き、判子を押す。これが、ちゃんと、自筆証書遺言の要件を備えていた、というわけですね。

相続対策って、どういうこと ?

写真  相続対策って、どういうこと ? 対策っていうんだから、相続が 起こる前、つまり死亡する前でなくてはならないし、もう一つ、認知 症になる前でないと、自分で意思決定ができないから、健康な能力の うちでなくてはならない。

 さて、そこで、相続対策っていうのは、多くの場合、何を目的とし て行われるのか考えてみたい。もちろん、相続の形態は100人10 0様だから、決定的な方法を提示することはできないが、経験的には 大きく2つに区分することができるようだ。

 その1つ目は、相続時の財産を減少させて、相続税を減額する方 法(相続人の増加も、相対的な意味では、この範囲に入るかもしれない。)。この典型例は、生前贈与で、贈与税が無税か小額に収まる範囲で贈与する。詳細は、我が法人の代表理事にお任せするが、大きく3形態に分類できるようだ。生前に約束して死亡したら譲渡するという死因贈与は、目的財産が不動産であれば、生存中に仮登記を付けて権利を明示しておくような方法もある。

 その2つ目は、相続が開始した時に、分割協議に紛争を生じないか又は円滑に協議が進むようにように、予め手段しておくこと。  これも具体的な案件によって、千差万別だが、実務上よく見られる方策を2〜3あげてみよう。この手段の根底には、自分の財産は自由に処分できるということと、相続人は一定の価値を承継(相続)する権利があるとは言えても、当然に特定の財産を取得する権限があるというわけではない、という考えがある。

 そのような手段として、
@例えば、推定相続財産が不動産だけであれば、相続時には売却して 代金を相続人間で1:1:2の割合で分配することと遺言で指定する

Aあるいは、土地だけであれば、予め分筆してA土地は推定相続人甲 に、B土地は乙にと遺言で指定する、

Bあるいは、会社の株式は、全部長男、次男には生命保険金と指定し て遺言する

C相続に外国人が関係するときは、特に注意が必要だ。外国人妻、あ るいは、子供が日本国籍離脱して死亡したが子供がいるなどのケースだ、このような場合、遺言書が不可欠と思われる。

D推定相続人が行方不明の場合も、遺言書が必須。相続人全員の協議 が必要な遺産分割ができないからだ。遺言書があれば分割協議がい らない。

E再婚している人は、前妻の子供たち、後妻或はその子供たち、この 間の財産承継についての価値バランスに配慮した遺言が不可欠。

 以上、ざっと、相続対策について考えてみたが、それは一つに限ら れることではなく、組み合わせによっても、いい対策が取れるかもし れない。要は、今のうちから現実のこととして、考えて、あるいは実 行することだろう。遺言なら、いつでも書き換えることができるのだ から最後の真剣勝負と意気込む必要はない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相続や終活での困ったを少しでもなくすために
一般社団法人 相続支援士協会
HP:http://www.souzokushienshi.com/
FB:https://www.facebook.com/souzokushien

相続対策の一番手は、やはり『遺言』だろう

写真  やはり、相続対策の一番手は、遺言だろう。その心は、自分の財産は、死後を含め、どのように処分しようと自由である、ということだ。その意味では、生前贈与と、気脈を通ずる。どちらが使い勝手がいいか、場合によるけれども、財産の承継という点からは、遺言の方が重宝ではないだろうか。その理由は、税率で遺言の方がかなり優位ということ、譲渡の事実が死ぬまで秘密にできるということ、状況の変化でいつでも内容を変更できるなどの点があげられる。

 遺言は、文字として残さなくてはならないなど、一定の要件があるから、面倒な面もある。専門家に相談するのが一番確実で、安全だ。遺言の代表格として、一般的には公正証書が薦められるが、準備に手間取る、費用がかかるなどの心配もある。その点、自筆証書の遺言は簡便だ。自分で全部手書きをして判子を押すことになっている。パソコンを使ったり、ビデオテープ録音などでは、遺言とはみなされないから要注意。

 例えば、スーパーの折込広告の裏にでも、「全部、長男にあげる。平成年月日 母・甲橋乙子㊞」などと書き残してあれば、長男は、甲橋乙子の死亡によって全部の財産を取得することになる。

 他に相続人があれば、遺留分の問題生ずることがあるが、あくまでも、遺留分は、他の相続人の最低保証をどうするという相続後の調整問題。私には、遺言書の効力は甚だ強力、という印象がある。

 他に相続人があり、遺留分などの紛争が懸念されるときは、遺言書によって、一定の配分(例えば生命保険を使い価格調整)をして均衡を図る、という手もある。少なくとも、財産価値で遺留分侵害がなければ、遺言書一本で、相続は一件落着ということになる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相続や終活での困ったを少しでもなくすために
一般社団法人 相続支援士協会
HP:http://www.souzokushienshi.com/
FB:https://www.facebook.com/souzokushien

相続対策に、早すぎるということはない。

写真  相続は、誰にでも、一度は必ず訪れる。平穏に相続を終えるためには、事前の対策が不可欠だ。多くの場合、自分はまだ早すぎる、まだ死なない、と思い込んでいて、何らの対策も取らない。そのうちに、死にはしないが、認知症になってしまったりする。これが、手遅れの典型的パターンだ。

仮に、今、自分が死んでしまったらどうなるか、あるいは、おやじが死んでしまったらどうなるか、一度立ち止まって考えてみるといい。

例えば、先妻の子と後妻が相続人となる場合、外国人妻がいたことがある人の場合、あるいは相続人がいない、遺産が住居の土地建物だけしかない場合、農業の田畑だけしかない場合、これらの相続ケースでは、どう見ても面倒なことになりそうだ。

いつでも、どこでも通ずる妙策などある筈もないが、予め情報が把握でき対策を講じておけば、かなりの成果は期待できる。
遺言書を書いておく、状況が変わったら書き直す、生前贈与をする、不動産を預貯金に変えておく、信託を利用する、法人に資産を保有させる、生命保険でバランスをとっておくなどいろんな手段が考えられる。

相続対策、相続関係業務には、当法人のメンバーがそれぞれの立場で、特段の知恵を発揮してお役に立つことができるだろう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相続や終活での困ったを少しでもなくすために
一般社団法人 相続支援士協会
HP:http://www.souzokushienshi.com/
FB:https://www.facebook.com/souzokushien